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仔猫と狼
第6章 明らかな敵意




驚いた。


まだまだガキんちょだと思っていたこいつは、俺の責任なのに俺の代わりに頭を下げた。



まぁ、マネージャーの仕事と考えれば当たり前なんだが。


それでも、初日で失敗。



若い子だったら、誤魔化したりするのが当然だと思っていた。



「片岡、大丈夫か?」




「はい…。すみません、情けないマネージャーアシスタントで…。」





俺が声をかけると目を合わさずに俺に再び謝罪を繰り返した。





「いや、今日の事に関しては完全に俺の責任なんだから、お前が責任を感じる必要はない。」





普段、遅刻しようと軽くしか謝罪の言葉を述べない俺が、マネージャーアシスタントに優しくしている姿に周りのスタッフは驚いているのがひしひしと感じとれた。





「それに、山田がこういうことするのは良くあるんだ。俺は遅刻常習犯だからな。」




「そう…なんですか…。」




まだ、目を合わさない片岡を立たせる為に抱き寄せた。





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