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仔猫と狼
第9章 秘密
結局、真剣な話しの途中でお腹がなってもいけないという結城さんの言葉で、パスタを注文した。
「おいしい??」
結城さんが無邪気に質問をしてくる。
いや、その表情にはお酒に酔ったとろんとした目とかすかに赤く高揚した頬が浮かんでいる。
「はい。おいしいです。」
「そう。」
高瀬さんは、私が食べている間静かに黙ってこちらを見ていた。
正直、すごく食べづらかった…。
「ごちそうさまでした。」
「食べ終わったところで、いいかしら?」
高瀬さんは、私が食べている間もずっとお酒を飲んでいたのに、一切酔っていない様子で、声をかけてきた。
「は、はい。」
「結城さん…。出来れば、彼女と二人で話したいんですけど。」
「えぇ〜。邪魔しないからさぁ〜。」
高瀬さんは、嫌そうだけど、結城さんがいてくださると正直心強い…。
「わかりました。でも…これかから話すことは、誰にも言わないでくださいね。」
「はーい。」
そんなに重要な話しを、なぜ私なんかに話すんだろう…。
そんな疑問が、頭のなかで浮かぶ。