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仔猫と狼
第9章 秘密
「僕も別にそういうものに偏見ないし、気持ち悪いと思ってないよ。」
しかし、片瀬さんの表情はすぐに戻り、気のせいだと思い私は結城さんの言葉に激しく頷いた。
「ありがとうございます。」
高瀬さんは、結城さんにもお礼を言い、お酒を煽った。
「いやぁ〜、高瀬ちゃんが真剣な顔するから、もっとやばい話かと思ったよ。」
今の話でも十分やばい話ではあると思うが、何よりずっと気になるのがなぜ私にその話をしたかだ。
「高瀬さん。」
「何?」
「あの…。」
「うん。」
「その…。」
言い淀む私をまっすぐ高瀬さんは見つめてくる。
その視線に、さらに萎縮しそうになる…。
「なぜ…私なんかに、その話をしてくれたのですか?」
私は、聞くなら今しかないと気持ちを奮い立たせ、疑問を投げかけた。
「それは…」
困った顔で高瀬さんが私から視線を外す。
「それは、片岡ちゃんが鳥居くんのことを好きだからじゃないかな?」
え?
答えたのは結城さんだった。
「結城さん。」
「確かに、私は鳥居さんのファンですが…、それとこの話にどんなつながりが??」