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仔猫と狼
第10章 知らない
こいつは、何を言っているんだ?
「…ふふふふふ。」
「鳥居…さん…?」
「はははは!」
こいつは、俺に抱かれることが罰だと言うのか?
俺に抱かれたい女は腐るほどいるっていうのに?
おかしい…
おかしいなあ!
「はははははは!」
「と…」
「お前にとって俺に抱かれることは、罰なのか?」
なら、いいさ。
もとから調教を身体に覚えさせるために抱くんだ。
罰でも、ご褒美でもなんでもいい…。
俺は、何を考えているんだ?
もとから、そこに俺の意思はないだろう?
なんで、俺は、こいつの答えを待っている?
らしくない…。
こいつの前だといつもらしくなくなる…。
くそ。
「…。」
「答えなくたってどうでもいい。罰であろうとなかろうと、これから俺がお前を抱くことに変わりはないからな。」
片岡は、怯えるような瞳を揺らし右手を俺の左頬に添えた。
「なんのつもりだ?そんなことをしても、やめないぞ?」
「…なぜ…鳥居さんが泣いているんですか…?」