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仔猫と狼
第11章 知りたくない










俺は寝室からでて、ソファに身体を沈めた。








俺は、何をしているんだ。






片岡を見ている時に感じる胸のざわざわした感じがなんなのか知りたくて、しばらく見ていたが結局わからない。





わからないまま、水すらまともに飲めないあいつを手伝ってやったが、その後のキスを俺は避けなかった…。





なぜだ?




あれくらいだったらいつもは避けれたはずだ…。







なのに…!











わからない…。







分かりたくもない…!












「くそ…。」





調子が狂う…。










今までとなにが違うって言うんだ。










「あの…。」








振り返るとボロボロだったのをなんとか見られるようにした姿になった片岡が立っていた。










「なんだ。」








瞳は潤んでいて、顔も耳まで真っ赤のまま。



可愛い淫らな表情でこちらを見ていた。













ん?



かわいい…?






誰がだ?







「…。」






「今日は帰りますね…。ここまで送ってくださりありがとうございました。」








また混乱してきた思考の中、片岡のその言葉が聞こえた。






「はっ?帰るのか?」





「え?」






気がついたらそんな言葉が口からでていた。







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