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非モテ連合国
第4章 犯罪者

田中の勘は当たっていた。
男はポケットから手を引き抜くと折り畳み式のナイフを取り出した。
急ぎ足でカップルに向かっていく。
そしてナイフを構えた手を振り上げた途端、田中がその腕を掴む。
「やめろ!」
「な、なにしやがる!」
カップルは後ろで揉める2人に驚き、早々に走り逃げた。
「離せ! 離せクソ野郎!」
カップルが視界からいなくなるのを見届けると田中は手を離した。
男は敵意剥き出しで田中を睨む。
田中はビビりながら男に問う。
「……それでなにをしようとした?」
「…………決まってんだろ……刺そうとした……こいつで……あいつらを……」
ナイフに目を落としながら喋る男。
田中は更に聞く。
「……何故だ?」
「……見ててイラつくからだ……幸せそうにしやがって……くそっ!」
「それをやって……どうなる?」
「満たされるだろぉが、俺の心が……」
田中は拳を握りしめる。
男はポケットから手を引き抜くと折り畳み式のナイフを取り出した。
急ぎ足でカップルに向かっていく。
そしてナイフを構えた手を振り上げた途端、田中がその腕を掴む。
「やめろ!」
「な、なにしやがる!」
カップルは後ろで揉める2人に驚き、早々に走り逃げた。
「離せ! 離せクソ野郎!」
カップルが視界からいなくなるのを見届けると田中は手を離した。
男は敵意剥き出しで田中を睨む。
田中はビビりながら男に問う。
「……それでなにをしようとした?」
「…………決まってんだろ……刺そうとした……こいつで……あいつらを……」
ナイフに目を落としながら喋る男。
田中は更に聞く。
「……何故だ?」
「……見ててイラつくからだ……幸せそうにしやがって……くそっ!」
「それをやって……どうなる?」
「満たされるだろぉが、俺の心が……」
田中は拳を握りしめる。

