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《番犬》が女に戻るとき...
第11章 カリスマな御三人
“ また誘拐 !? ”
停学明けに…再びですか
「…ハァー」
封筒を見た零はがっくりと頭を垂れた。
「どうした!」
「これ…」
「そ…っ、それはまさか…」
様子がおかしいのに気が付いた茜が零の靴箱をのぞいて、中の封筒に目を見開いた。
零と同じことが彼女の脳裏にも浮かぶ。
「それを見せろっ」
茜が先にそれを手に取った。
白色の封筒の…表には何も書かれていなくて、彼女は迷うことなく開けにかかった。
裏返したところ、なんだか可愛らしいシールが貼られてあるのだが
ビリッ
うん、気にしない
「何だ!? けっこうびっしり書かれてあ…!」
二つに畳まれた便箋には、裏からでもわかる黒いインクが透けていたのだけれど、その文量がますます怪しい。
便箋を取り出してざっと目を通す。