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《番犬》が女に戻るとき...
第13章 球技大会 ~汗と鉛と、苛立ちと~

そしてこちらには
当然のようにスタメンに駆り出された零がいた。
「茜さん出るんだ…」
靴紐を結びながらコートを見ると、そこにはすでに相手チームが集まっている。
“ 午後の試合は男しか出ないってクラスメイトが教えてくれたけど…茜さんは特例なの? ”
そんな馬鹿なと思いたいが、黒髪を後ろでひとつくくりした彼女はやる気まんまんだ。
“ 茜さんが、こんな試合で怪我する心配はないとしても… ”
その辺は心配いらないと、零も判断した。
だけれど彼は不満だった。
──何故ならこれ以上…彼女が周りから注目されるのはイヤだ。
人気なんて集めなくていいのに。
「久藤たのむぞ!」
「茜さん頑張ってー♡」
クラス一丸となっての応援合唱
そんなのもう…必要ないだろ?

