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《番犬》が女に戻るとき...
第13章 球技大会 ~汗と鉛と、苛立ちと~


盛り上がるクラスメイトの中で、茜はじっと相手チームのベンチを見ていた。



───


そのころ1組のベンチでは…

こちらも同じように仲間に励まされながら、疲れはてた身体を休ませていた。

前半は失点を許してしまったけれど

負けるつもりなんてさらさらない。


「…久藤が出てきたときはびびったけどな」

「ってか女出るの卑怯じゃないか?ルール上はありだとしても…本気だせないっての…!!」

「相手のせいにすんなって」

「あー、悪い…っ」


優勝候補の自分達が一回戦で負けるわけには…

彼等もプレッシャーの中で戦っていた。




「あのさ」


黙って水を飲んでいた零が
前ぶれもなく口を開いた。



「俺、ポジション下げてもいい?」


「…下げる?中盤に行きたいってことか」


「うん」


ドリンクの入った水筒を横の女子に手渡してニコッと微笑む。






「──…やっぱり向こうから来るのを待ってるより…強引に奪うほうが燃えるからさ……」






■解説■

前線でパスがくるのを待つよりも、ディフェンスで相手のボールを奪うほうが楽しい

という意味。






「───…/// …お好きにどうぞ…っ」


男子も含め──

その場に居合わせたみなの顔が赤面した瞬間であった。








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