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《番犬》が女に戻るとき...
第13章 球技大会 ~汗と鉛と、苛立ちと~

──後半戦
「やはりポジションを変えてきたか…」
ちょうど真正面の位置にきた零を見た茜は納得して呟く。
前半はほとんど零までパスがまわっていなかった。(全部 私がカットしてやったからな)
ボールにもっとも触れる中盤にくるのも当然だ。
“ どちらにしろ、あいつからやる気は感じなかったけどな… ”
ボールがまわってこなければ下がればいいのに、前半での零はただ待つだけだった。
“ やる気になったのか?──…!! ”
「──(ゾクッ)」
「……」
目があった瞬間の零の表情──
茜は嫌な予感がした。
ピピー!
後半戦がスタートして、彼女の予感が的中する。

