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《番犬》が女に戻るとき...
第13章 球技大会 ~汗と鉛と、苛立ちと~

後半10分 2対1

「……ハァ」

ガクリと膝から崩れた茜の身体を、咄嗟に零が抱き留めた。


「大丈夫…?」

「……」


得意なサッカーですら敵わない


それを悟ったとたんに彼女の身体から力が抜けてしまった。



崩れた茜を見てクラスの女子が集まってくる。


「茜さん!?」

「体力的に限界よ…!! ずっと出てるから…」


そこへ仲間の男たちも茜の様子を見にやって来た。


「久藤…無理すんな。俺らも交代してやってるんだし、控えの誰かと代われよ」

「…ああ、任せとけって」

「──…。悪い」


それは今までにないクラスの男子とのやり取りだった。

そして茜も珍しく、素直に礼を言う。



──彼女はベンチに戻り試合は再開した。







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