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《番犬》が女に戻るとき...
第13章 球技大会 ~汗と鉛と、苛立ちと~

意味ありげな態度で、可笑しな言葉で
私を惑わしながら周りをうろちょろと鬱陶しい…。
何故、あいつの言葉や表情を私が気にして生活しなきゃいけないんだよ。
あいつの人気が気に食わないし
告白されてるのも腹が立つ…!!
──で? つまるところ
《篠田は男が好きでした》だ?
からかうのもいい加減にしてくれよ。
結局は、ぜんぶが冗談のお遊びか
完璧な男のただの暇潰しか。
「ふざけるな…こっちは真剣に生きているんだ」
試合も充分に見れなくなった茜。
彼女は自分の脚に両肘をつき、頭を抱えるようにして下を向いた。
…茜は、ただただ悔しかった。
零の余裕が、自分の弱さが──。

