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《番犬》が女に戻るとき...
第23章 夢を語る瞳
律儀すぎる彼女に、感心するというか呆れるというか……。
「昨日はあんなに可愛かったくせに…」
「……//」
「そんなギャップ見せつけられても、男は攻略したくなるだけだよ?──もっかい襲おっかな」
「……っ」
半身を起こした零の、布団の中。
──どうなっているかはご想像にお任せするが
無言の茜の顔に焦りの色が浮かんでいるところを見るに、パジャマ姿でないことは確かだろう。
そして零も、自分が動いたことで茜が心の内で身構えたことを感じとっていた。
「──…ふふ、わかったよ。今日はもう帰してあげるから」
無表情な筈なのに、わかりやすいよね茜さんは。
「せめて別れのキスぐらい…さ。してから帰るものでしょ?……こっちに来てよ」
「……」
「来ないなら、俺がベッドから出てそっちに行くことになるけど」
「──ッ!! いや、いい! お前は動かなくていい!」
まんまと引っ掛かったと気付きながらも、茜は彼の言う通りにするほかなかった。