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《番犬》が女に戻るとき...
第23章 夢を語る瞳
零の偽造事件発覚後も、それからの二人に、さして大きな変化はないようだった。
学校では相変わらず、零は茜に絡みに4組を訪ね、茜はいつものように…鬱陶しそうにあしらう。
クラスの男子への茜の対応も、いつもどおり。
クラスの男子の茜への反応も、いつもどおり。
下駄箱のラブレターもいつもどおり。
──零のラブレター数が、日増しに茜に張り合うほどになってきてはいたが。
……しかし
あの日を境に明らかに変わった者がいる。
「最近あいつ変だよな?」
「急にキャラ変わったっつーか…」
その男は、ハルク・ウィルアーニ。
「ハルク君、おはよー!」
「……」
「……っ?」
女生徒からの明るい挨拶も、ハルクは無言でスルーしてしまうのだった。