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《番犬》が女に戻るとき...
第23章 夢を語る瞳
登校した茜の左手には、靴箱から収穫(?)したての手紙が数枚──。
今は読む気がおきないので茜はそれを机にしまった。
そして彼女はいま、クラス内を飛び交っている噂を受けて眉間にシワを寄せていた。
“ ハルク…あいつは何を考えている? ”
あの日以来、あからさまに態度を変えて…
私に話しかけなくなったことは、それはそれで厄介払いができてせいせいしているが
“ へんに私が巻き込まれてるだろうが…っ(汗) ”
確かにあいつに掴みかかったが、私は一度も殴ったりはしていないぞ?(殴る一歩手前だったけど)
ゲームに負けたとか、ハルクはそんなこと言っていたなそういえば。
……それで拗ねてるのか?
「…女子みたいなやつだ」
──凰鳴の権力者である茜に近づき利用しようとしていたハルク。
それが失敗し早くもゲームに飽きてしまったのか?
暇をもて余すぼんぼんの考えに、茜はついていけなかった──。