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《番犬》が女に戻るとき...
第27章 デートですから
……え
「………。(ジーー)」
「な、なんだよ…っ、何か文句あるか…!!」
「‥‥‥」
「…ッ 黙るな!何か喋れ」
珍しいことに遅刻の茜は、5分ほど遅れ、待ち合わせ場所に立つ零のところに息を切らせながら駆け寄ってきた。
声に反応して顔を向けた零は、その彼女の姿を見て固まってしまう。
「………夢 カナ‥」
「現実だ!」
首元のざっくり空いた白ニット。
ウエストの締まった、トレンチ風のフレアースカート。
膝丈のスカートからすらり伸びた、長い脚。
鬱陶しいと最近は無造作にひとくくりにしていた黒髪も、今日はおろしてある。
いつもの茜じゃない
誰がどう見ても、美女でしかなかった。