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《番犬》が女に戻るとき...
第27章 デートですから
普段の制服でもスカートだけど…
「なんか…予想外すぎて…」
零は片手で目を覆い、その場で俯いた。
白とベージュのシンプルな色使いが、女性的ながら品があって…
ほどよく身体のラインを見せるその服装は、細身な茜のシルエットを美しく魅せる。
「なんだよその反応は…//」
こちらを見ようとしない零に近付き、不機嫌気味に茜が尋ねた。
「気に入らないのかよ」
「……」
「どう思われようと、これは花崎さんが似合うと選んでくれたものだ。…っ…私は、お前より花崎さんのセンスを信じるからなッ」
「──フッ」
漸く顔をあげた零が、目を細めて笑う。
その時、横のベンチに座る主婦たちが、茜を見て互いに囁いた。
「今からデートかしら」
「素敵なお嬢さんねぇ、ほら……あの男の子、あんまり綺麗だからビックリして固まってるわ」
......
「──…///」
まる聞こえだよ おばさん
「──…だ、そーですよ、お嬢さん」
「……っ」
零はバッグを持つ茜の手を掴むと、引っ張るようにして駅前の広場から離れていった。