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《番犬》が女に戻るとき...
第27章 デートですから
「ちょっと待て、こける…っ」
スニーカーしか履いてこなかった茜にとって、今日の靴は強敵だ。
“ パンプス?つったか、これ…っ ”
バッグと靴は、茜の母の私物。
渡されたパンプスは低めのヒールだったものの、歩きにくいったらありゃしない。
こんなもの履いて…ふくらはぎの筋トレか?
茜は真剣に思っていた。
「ああごめん、レディーはもっと優しくエスコートしないとね」
「…っ 馬鹿にするな、靴さえ違えば普通に…」
「無理はしないで、お嬢ーさん♪」
ぐいぐい引っ張るのをやめた零は、歩き慣れない彼女のためにゆっくりと進んだ。
“ 手…… ”
離さないな…