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《番犬》が女に戻るとき...
第27章 デートですから
出入口から離れ、人が散り始めたころ。
「もういいだろ…、──手」
「…ん」
はぐれる心配がなくなったところで、茜は握られた手を抵抗するように引いた。
──外はもう夜。空は真っ暗だった。
「もしかして、こっちの方が良かった?」
「な…っ」
零は手を離したかと思えば、今度は彼女の肩に腕をまわして引き寄せる。
こっちの方がカップルっぽい。
「何してる、バカ野郎」
「はいはい」
「どこも怪我なんてしてないだろう?…ッ 何故、お前に肩を貸して歩かなくてはいけない…!!」
「いや、べつに肩借りてるわけじゃ(汗)」
身体が斜めに傾いて歩きにくいので、茜は本当に嫌がった(汗)
「大人しくしてよ。──それにしても、お腹減ってない?」
グー
確かに。
「そうだな…帰り道にスーパーがあったろう。この時間帯なら、いつも半額の弁当が並んでるぞ」
「‥‥」
「どうした?不満なのか」
「…うん。聞かなかったことにするネ」
「──?」