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アイドルの仕事は男を誘惑することだ
第4章 つながる喜び
こと子は放課後、一人図書室でぼんやり考えことをしていた。


何か悩みがあるときは、彼女はよく図書室にやってきた。


風通りの良いこの場所は、こと子のお気に入りスポットだった。


いつものように窓際に陣取り、ぼんやり外を見つめている。


クラスメートの男子学生たちが、部活に精を出していた。


きっと、彼らは私がエッチなことをしているなんて、


思いもよらないんだろうな…。


クラスでは大人しいタイプだし…。


そんなことを考えていると、ふと誰かがこと子の名前を呼んだ。


「…さん、杉原さん」


はっとして顔を上げると、そこには何と吉川がいた。


「あっ、ごめん。集中してた?」


「いいの、いいの。私こそぼーっとしててごめんね」


こと子は頬を赤らめた。


今は、吉川の顔を見るだけで恥ずかしかった。


「杉原さん、勉強してたの?」


「うん、ちょっとね」


「僕は本を返しに来ただけなんだ。邪魔して悪かったね。


じゃあ、また明日」


去ろうとする吉川に、こと子は焦って呼び止めた。


「ちょっと待って、私も帰るから一緒に帰ろう」
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