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アイドルの仕事は男を誘惑することだ
第5章 誘惑
こと子は球一の瀟洒な事務所の扉を押した。
「待っていたよ」
椅子に腰かけたまま、球一が言った。
こと子は少し険しい顔つきになる。
「君はなかなかいい顔をしているな。その様子じゃ、ヤッたんだな」
球一の言葉にも、こと子は物怖じしななかった。
「どういう風に誘惑したんだ?今ここで、やってみるんだ」
球一は挑発的な表情を浮かべた。
こと子は何も言わず、コツコツと靴音を立てて球一に近づいていく。
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