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『うぅ』としか鳴けない
第14章 結婚への道のり〜バランス〜
しかし、主は、家に戻るなり考え込んでしまった。
今更ながら、「格」というものの「差」を突き付けられた思いなのであった。
腹の中は、金崎の家をおとしめる「タヌキ」の芝崎家、とは思わないが、複雑な思いが無いわけではない。
それでも、『利用すればいい』と言う芝崎家の寛容に乗るべく、主は人選を始めた。
『御主人様、父からお電話です。』
『わかった。』
『もしもし、金崎です。』
『…はい。…いや、しかし…はい、まあ、…それはどういう…あ、はい。ありがとうございます。はい、失礼します…』
灯子の父は、主に、こんなことを言った。それは…
芝崎家は、知っての通り、代々続く財閥で、私の力で作り上げたのではなく、「攻めながらも守る」のが、私に課せられた使命。君は初代だ。これから財を成していく立場。
もしも、自分の立場を少しでも、芝崎と比べ、卑下しているのなら、それは愚の骨頂というものだ。
起業し、素晴らしい成長を見せている、その手腕に自信を持ちなさい。
そんな内容だった。
あらためて、灯子の父の大きさに圧倒された主だった。
今更ながら、「格」というものの「差」を突き付けられた思いなのであった。
腹の中は、金崎の家をおとしめる「タヌキ」の芝崎家、とは思わないが、複雑な思いが無いわけではない。
それでも、『利用すればいい』と言う芝崎家の寛容に乗るべく、主は人選を始めた。
『御主人様、父からお電話です。』
『わかった。』
『もしもし、金崎です。』
『…はい。…いや、しかし…はい、まあ、…それはどういう…あ、はい。ありがとうございます。はい、失礼します…』
灯子の父は、主に、こんなことを言った。それは…
芝崎家は、知っての通り、代々続く財閥で、私の力で作り上げたのではなく、「攻めながらも守る」のが、私に課せられた使命。君は初代だ。これから財を成していく立場。
もしも、自分の立場を少しでも、芝崎と比べ、卑下しているのなら、それは愚の骨頂というものだ。
起業し、素晴らしい成長を見せている、その手腕に自信を持ちなさい。
そんな内容だった。
あらためて、灯子の父の大きさに圧倒された主だった。