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『うぅ』としか鳴けない
第4章 美しき奴隷
お気に入りの「カノン」。

以前、灯子は、必ずと言っていいほど、料理が運ばれるまでピアノを弾いていた。

緊張の糸がぷつりと切れたおかげで、「条件反射」のようにピアノを弾いている。

調律はしてあったが、ピアノはインテリアだった。まさか、ピアノを弾く奴隷など、考えもしなかった主。予想外の展開は主を愉快にさせてくれた。

『お嬢様…』
シェフも、言い慣れた呼び方に焦ったが、
『ここだけはいいさ。』
と、言った主の言葉に安堵した。

『さあ、灯子、来なさい。』

『えぇ(笑)』

ディナーは和やかな雰囲気の中で食した。
爽やかな笑顔の主は、本当に素敵で、灯子は恋心を抱きはじめていた……



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