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電池切れ
第6章 42歳・・3度目の同窓会
「この居酒屋、ずいぶん来ないうちにこんなに
きれいになっちゃったんだ」
もう20年近く駅前で頑張っているこの居酒屋も、
月日の流れに合わせてきれいに化粧直しをした。
建て替えられたその造りは
今の時代にあったシャレた個室造りだった。
建物同様、幹事も少し変わっていた。
政夫が単身赴任中なので、代わりに浩二がやってきた。
彼は悟と同じバレー部だった。
そして真樹子が復活し、5組の美奈子も新たに加わった。
10年ぶり、おまけに40代。
話は尽きず、なかなか同窓会の話にまでたどり着かなかった。
1回目の集まりはほぼ、ただの飲み会。
日にちしか決まらず次回に持ち越し。
「次回はきっちり決めようね!」
好恵の言葉にみな子供の様に手をあげてこたえた。
私は・・みんな以上に元気に答えた。
だって・・
悟は変わっていなかった。いやむしろ・・
大人の色気をガンガン感じるくらい・・
薄れていたヤツへの想いも、顔を見た瞬間に
色濃くよみがえって、膨らんだ。
いつものように駅前でみんなを見送るが、
今回は浩二が一緒に残っている。
そう、彼は実家を二世帯住宅にし
母親と同居しているので、帰り道がほぼ一緒。
だが、
前回の同窓会では誰も手にしていなかった
携帯電話がある。
最後まで私と一緒だった浩二と別れると、すぐに
悟の携帯を鳴らした。