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電池切れ
第8章 50歳・・現実・・それでも
私のシャツに手はかけたけど、
諦めたようにすぐにその手を下ろした。
今は店の中だから、そこから先へは進めないのは当然だけど。
なんだか様子がおかしい。
「あとでゆっくり・・はずせばいいでしょ、このボタン・・
ね、したいでしょ?」
悟の手を取って、自分の腿の上に置く。
その手を滑らせて・・
と言わんばかりに。
だけど悟は・・
一瞬内側に手を這わせただけで、すぐにそこから離した。
だんだんとイライラしてくる。
どうしたのよ・・
なんで前みたいに求めないのよ・・
「ねぇ!どうしちゃったの?」
カウンターの上にのせた悟の手のひらを拳で叩く。
イテッと悟が声をあげる。
「ダメって、なんなの?おとなしくなったって・・
それは他の女と、じゃないの?
私とは別でしょ?ねぇ、ねぇ・・!」
駄々っ子はとうとう自分から
男の内腿に手を伸ばしていく。
なんて大胆なんだ、私・・
「歳取るとその気がなくなっていくって、だんだん
気力なくなるって話、よく聞くけど、
美月ぜんぜん大丈夫なのか?」
私に顔を向ける悟・・なんか
うらやましそうな顔してない?
なんで・・?
私・・まだまだ大丈夫、ていうより・・
最近異常なくらい・・欲しがってる・・
なぜなら・・
「うちね・・旦那が・・もうほとんどダメなの・・
3つ上なんだけど・・すっかり元気なくしちゃって・・
もう2年してないの・・」
できない、と思うと余計したくなる。
あまのじゃくな性格の私は特に、そう思う。
同窓会、と聞いただけで体に電流が走った。
やっと悟に会える、悟が願いをかなえてくれる・・と。
だから悟のこの反応は、意外であり
裏切りであるとさえ言いたくなった。
必ず・・目的を果たす!
私は懸命に説得を続けた。