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電池切れ
第2章 27歳・・初めての同窓会・・
私達の関係が始まったのは27歳の時。

その時の私は、結婚の約束をした恋人もいて、

ごく普通に幸せな毎日を送っていた。



実家に住み続けていた私が、地元の商店街で

中学の同級生・好恵にバッタリ会ったことがきっかけになり、

卒業して初めての同窓会を開くことになった。


じつは私と好恵は、3年の時は別のクラス。

1年2年と一緒だったが、3年は別々になってしまった。



「3組と5組でさぁ、合同のクラス会ってどうよ?おもしろいじゃん」


「いいねぇ、それ!だったらクラス関係なく連絡とれるヤツいたら誘おうよ。

 口コミってやつ?それいいんじゃない?どう?」



話は一気に盛り上がり、着々とすすんだ。

それぞれがクラスメイトに連絡を取り出すと、

手伝ってくれるヤツも何人か出てきた。

それならまずは幹事で集まろうということになり、2週間後

さっそく初めての会合を開いた。





土曜日の夜、

駅前の居酒屋に入ると懐かしい顔がいっせいに私に注目した。

5組の政夫、香織、好恵。それから同じ3組の真樹子、和弘、そして・・

あ、悟!



「お~美月、ひさしぶりだなぁ!元気かよ?

 おまえまだ実家に住んでんだって?」



和弘が自分の横に座れと、トントンと座布団をたたいて促す。

びりっけつの私が和弘の隣に座る。

正面には、悟が座っている。私を・・

見てる・・



「うん、ずっと実家。職場は渋谷だからさ

 通勤つらいんだけど、なんたってほら、家賃掛かんないからさ。

 しっかり貯金できるし」



目の前の瓶ビールに手を伸ばすと、それを正面から黙って掴み、

私のグラスに注いでくれた悟。なんか・・

雰囲気、変わった?


高校生の頃の、ぶっきらぼうな子供っぽさはどこへやら・・

私を見つめるその瞳・・

男の欲望を感じさせるような・・




「なんかみんな・・変わんないけど・・

 やっぱ大人になったって感じ。あったりまえか」


「う~んでも、美月は変わんないよぉ。中学の頃とまったく同じ!

 す~ぐわかるもん」


「え~?なんかそれって・・うれしくない!

 大人の女になったねぇとか色気があふれてるとかさ、

 そういうの、感じない?」



さりげなく・・悟に視線を送る・・



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