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~大人のための官能童話集~
第3章 二幕‥赤ずきんちゃん
 

「ニーナ、ちょっとお使いに行って欲しいの」

「お使い?」


今日は久し振りにお仕事が休みで、晴天だからと洗濯物を干していた最中だった。

母から呼び出され、何事かとニーナが耳を傾けてみれば……お使いに頼まれて欲しいと言う。


「えぇそうよ。ニーナにはずっと黙っていたのだけれど、貴女にはおばあ様がいるのよ」

「えっ…?」


そんなことは初耳であった。

元々母の話では父とは駆け落ちして婚姻を結んだと聞いていたから、てっきり祖母とはもう縁が切れているものだと思っていたのだ。

以前父から聞いた話によると、母はそれなりに街では位の高い家系の娘だったから、結婚相手に関しては祖母に口出しされていたようで……。

田舎出の父はどうやら快く思われなかったらしい。

そんな事情もあって、祖母については今まで話すことさえも無かったのだが。

 
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