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バックヤードの誘惑
第2章 反応してしまった・・
店のシャッターをおろし
誰からの目も届かない空間で、
美佐江と和樹は初めのうちは黙々と作業を続けた。
商品の値段を見ながらリストと照らし合わせていく。
美佐江にとっては懐かしい作業だった。
20代の頃、デパートで働いていたので
このての作業には慣れている。
・・なつかしいなぁ、よくやったっけ・・
若くて楽しかった思い出もよみがえり、
リストの紙があの頃の自分に思えて
おもわず紙にむかって微笑んでしまった。
「なんか楽しそうだね。
よかったよ、面倒がらずにやってくれて。
やっぱ吉沢さん採用して大正解だったなぁ」
おおげさだけど、その屈託のなさがかわいい男だな・・
美佐江は和樹に対して多少男を意識していたことは間違いない。
ブティックを経営するだけあって
自身のファッションに気を使っているし、顔もいいし。
そんな男にあれこれ気を使ってもらったり、好く思われていることが、
美佐江の中で女としての
自信につながっていることも確かだ。
「そんなに褒めてもらえるとなんだか
この先も断れないじゃないですかぁ。
でも・・がんばります、期待にそえるように」
「おっ!頼もしい。じゃあこれからもひとつ、
よろしく頼みますよ。
吉沢さんと2人の棚卸なら毎日してもいいなぁ~」
またしても屈託なく笑顔をつくる和樹を見て、
美佐江も久しぶりに心が潤った気がした。