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若社長と秘書子の攻防
第1章 ファーストラウンド
「……性交渉は週6回以上。よろしいですね?」
いつものよう。社長は涼やかな顔で表情を崩しもせず、さも業務連絡を言うように淡々と告げた。
しかも。しかもだ。
重役が集まる会議室で、だ。
嗚呼……この若社長をどうしてくれよう?
社長秘書なんて立場じゃなく、雇われの身だというのも忘れられたら。
その綺麗な顔を形が変形するくらい殴り倒してやるのに。
それとも整った髪の奥に潜む、形のいい頭をかち割ってやろうかしら?
スーツの上からでも分かる、鍛えられた身体をボコボコにして骨の数本、いや半分くらい折っても構わないかしら?
どれも魅力的だけど、とりあえず。
このコンクリートを詰めこんだように固まった空気をなんとかするのが先決ね。
部長なんてテンパりすぎてズラで汗拭いちゃってるし、専務のかさついた唇は面白いくらい震えちゃってるし。
私はいつものよう、口調を崩さず微笑んだ。
「社長。どこかで頭のネジ落としてらっしゃったみたいですね? お忙しいのでしたら、私探してきます」
ピッシャーっと社長と私の間に立ち籠める暗雲から雷撃が迸るが、今さらこれくらいで怯む私じゃない。
颯爽と会議室の ドアまで歩き、一揖してコンクリートから脱出した。
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