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若社長と秘書子の攻防
第3章 ラストラウンド
私と社長が出逢って12年。
ブランクはあれど、私の半生を社長が占めていて。
彼に恋してから……いいえ、彼と出逢ったその瞬間から、私は社長に挑み続ける宿命を背負ったのかもしれません。
今のところ、勝利は勝ち得ず、黒星が埋め尽くしていますが、いずれ必ず白星をつけてやりますから。
だってそう──。私たちにはたっぷりと時間がありますもの。
夫婦になり、父と母になり。顔にシワが刻まれ、黒髪が白髪になり。
あの大きなお屋敷で縁側に座り、共に茶をすすり。
永い永い年月を想像するよりも易い、私と社長の攻防。
傍に社長がいる限り、宿命づけられた彼への挑戦は永久に続けますとも。
──そう。彼がそこにいる限り──。
「さあ、愉しむとしようか」
「全くもって愉しめません! ちょ、変なところ触らないでくださいってば!!」
「佐和の身体に変なところなどないぞ」
「そういう意味ではございません! ほんとにこの……バカ社長っ!!」
◇◆fin◆ ◇