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若社長と秘書子の攻防
第2章 セカンドラウンド
『お仕置きの続きは僕の家でするとしようか?』
そう言われたのが1時間前。ええ、確かに仰いましたよ?
社長が有言実行な方なのは、重々存じてますとも。威勢よく『即帰宅してやります』と言ったものの、この方から逃げられないのは百も承知。
ですから私だって、逃げられない……いえ、逃がしてもらえないだろうことは予想してました。
私も長年抱いていた想いが通じ、嬉しくないわけじゃありませんし。夢心地なのも否めません。
でもですよ? これは別の意味で逃げられなくないですか?
「理人さんが女性を家に連れてくるなんて初めてだわ! 私も主人も心配してたけれど、これで安心ね」
「は……はあ」
社長に強制連行された自宅……いえ、実家。
見目麗しく若々しい和服美人の社長のお母様が、目尻に涙を滲ませておいでなのですが……どういうことなのでしょう?
「お式はいつ頃予定してるの? 佐和さんは和装が似合いそうね」
お式? 和装? ……ああ、お棺の中で着る白装束でしょうか? 私、お迎えきちゃうんですね……。
なんて現実逃避が頭の中を巡っていれば
「お母さん。彼女は数日滞在予定ですから、後日そういった話はゆっくりと」
社長が救いの手を伸ばした。
本当に救いの手ならいいのですが、そんなはずないですよね。
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