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若社長と秘書子の攻防
第2章 セカンドラウンド
「無理です」と、何度叫びたくなったことでしょう。これを世の女性たちは経験し、さらに痛いともっぱら噂される出産まで経験されるとは、尊敬しかありません。
持ち前の根性でなんとか堪え、叫ぶのを必死に我慢する。
けれど社長が違う動きを見せたことで、意識が逸らされる。
「もう少しだから堪えてくれ」
背中に腕が回され、柔らかい感触が唇に当たる。ギュッと結んでいた唇を舐められ、縋るように薄く開けるとぬるりを舌が入ってくる。
絡みつく舌が痛みを和らげてくれるようで。私を支える腕が温かくて、痛みからではなく温かさに泣きそうになる。
「ふ……あ、しゃ、ちょう……」
「理人、だ。二人きりのときはそう呼びなさい」
唇同士がくっついたまま、交わす会話が嬉しいものだと知る。
「ん……、ま、さと……、理人……!」
間近で夢中になって呼ぶと、社長の眼は光線なんて出しそうにないほど優しく細められ、また泣きたくなった。
くちゅくちゅと音を立てて貪りあう唇が蕩けてしまうくらい熱くて。硬く引き締まった胸が、肌が当たっているところが心地よくて。
社長の熱をありありと感じる内部の痛みが愛おしくなって。
ぶちり、となにかが破れたような衝撃も、涙を零して喜びを噛みしめる。
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