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俺もう鈍感のフリ辞めるわ
第5章 生徒会室はナニするトコロ?
「隼人君じゃないか。こんな所で何をしているんだ?」
生徒会室の前でばったり出くわしたのは、三年生の生徒会長の神宮 直美(ジングウ ナオミ)だ。
清楚という印象がこれ程感じられる女性は少ないと思える凛とした人で、全校女子の憧れであるサラサラとした長い黒髪に、引き込まれてしまいそうなくっきりした瞳と整った眉、芽衣と違って貧相な体ではなく、色っぽいスレンダーな体型に黒のストッキングが美脚とマッチしている。
男っぽい口調のわりに、書類の束を抱えながら首を傾げる仕草はなんとも言い難い女っぽさを感じさせ、学校でもトップクラスの美人だ。
「あっ、先輩。そうですねー、楽しみとか幸せを探していました」
「相変わらず不思議な事をする人だな君は...つまり暇という事かい?」
そうですよー、先輩がこっちに向かうのが見えたんで幸せを探しに来たんです。
生徒会室なんて校舎の隅にあり、生徒会以外誰も近付かない場所なのだが、おそらく俺に会えた嬉しさでそんな違和感を感じていないような直美はクスリと微笑んだ。
「一般的な解釈なら暇ですかね。先輩は生徒会の仕事ですか?」
「ああ、この書類をまとめるだけだから今日は一人だが。隼人君は部活動等に興味はないのか?暇をもて余すくらいなら何かに打ち込んだ方が君の為にもなるぞ」
「いやー、部活とか向いてない性格なんで」
「そうか...私としては、生徒会に入って貰うのも悪くないと思うんだが」
いやいや、俺みたいな人間が生徒会とかしたらこの学校終わりだよ。
それに部活とか生徒会なんかに時間を割くのはもったいない。博愛主義者の俺はもったいない事が嫌いなのだ。