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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第3章 《巻の弐―運命の悪戯―》
 これで良かったのだと思う反面、空しさとやるせなさが胸の奥で渦巻いた。
 卯月も晦日にさしかかった日の昼下がり、泉水は自室に籠もっていた。ここのところ、お忍びで町へ出ることもなく、ずっと部屋に籠もりきりだ。いつもは元気が良すぎるほどの泉水のこの変貌ぶりに、時橋はかえって身体の具合が悪いのかと心配している。
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