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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第20章 《巻の弐―予期せぬ客人―》
けして根は悪い人間ではないのだけれど、とりつく島がないというのか、気難しげな外見で随分と損をしているのではないかと、泉水はいつもそんな風に見ていた。
泰雅もまた肉親の縁(えにし)は薄い生い立ちである。父泰久とは十二歳で死別、その幼さで家督を継いだ。母景容院は今もって健在ではあるが、泰久逝去と同時に屋敷を出て、今は隠居所として新たに建てた別邸で暮らしている。つまり、泰雅は十二歳で両親と離れたことになる。父とは死別、母親は健在でありながら離れ暮らさなければならなくなった。
泰雅もまた肉親の縁(えにし)は薄い生い立ちである。父泰久とは十二歳で死別、その幼さで家督を継いだ。母景容院は今もって健在ではあるが、泰久逝去と同時に屋敷を出て、今は隠居所として新たに建てた別邸で暮らしている。つまり、泰雅は十二歳で両親と離れたことになる。父とは死別、母親は健在でありながら離れ暮らさなければならなくなった。