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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第20章 《巻の弐―予期せぬ客人―》
 何故、景容院が家督を継いだばかりの幼い我が子を残し、屋敷を去ったのか。泉水には理解できなかった。当時、泰雅は元服を終えたばかりの少年であった。支えとなる父を喪ったときこそ、母である景容院が傍にいて代わりに後見となるべきなのに、景容院が取った行動は我が子を見捨てるに等しいことであった。
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