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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第20章 《巻の弐―予期せぬ客人―》
「これは奥方さま」
 河嶋は愕いた顔で慌てて立ち上がった。
「ご用がおありでございましたならば、お呼び下されば、すぐにでもお伺い致しましたものを」
「良いのじゃ。私も丁度、暇でな、少し誰かと話がしたいと思うておったところよ」
「お心遣い、ありがとうございまする」
 河嶋は鹿爪らしい顔で紫陽花を押し頂いた。
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