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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第3章 《巻の弐―運命の悪戯―》
 時橋はついに泉水が正気を手放してしまったのかと危ぶんだ。
―お可哀想に、姫さまはご夫君であらせられる殿のあまりにも酷いお仕打ちにとうとうこのような有様になってしまわれた!!
 時橋は覚悟を決めた。泉水からはけして内情を実家へ知らせてはならぬと言いつけられていたが、この際、独断で榊原家での泉水の処遇を槇野源太夫に書状で知らせることに決めたのだ。
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