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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第23章 《巻の壱―夢―》
「妙な夢を見るのです」
「妙な夢?」
 泰雅が眼を見開く。
 泉水は先刻見たばかりの夢の中の光景を思い浮かべた。
「女の子が泣いているのです。辺り一面は真っ暗で、どこまでも闇がひろがっていて、その中にどうしてか私とその子だけが取り残されるように放り出されていて。私が幾ら何故泣くのかと問うても、その子は泣いているばかりで全く応えようとしてはくれませぬ」
「―」
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