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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第23章 《巻の壱―夢―》
 お小言の途中でいつも逃げ出してはいたものの、時橋が泉水にとって頭の上がらない存在であることに変わりはない。
 この上、良人と共に過ごす夜にいびきや歯ぎしりをしている―なぞと知れば、どのように説教されるか判らない。
 泉水が懇願するように見上げると、泰雅はニヤリと意地悪そうな笑みを浮かべた。
「うむ、だから、言わぬ。そなたの頼みであれば、絶対にこのことは他言せぬ。ならば、泉水は俺のことが好きか?」
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