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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第23章 《巻の壱―夢―》
「それは良い。だがな、生憎と、そなたは肝心なことを忘れておるようだ。かつては菓子を貰い慣れた犬も、ひとたび家に居着いてしまえば、我が家が最も良き、居心地の良き場所だと思うものよ。さすれば、いくらすげなくしようと、犬はどこにもゆかぬぞ」
 その時、泉水はハッとした。いくら何でも、これは言い過ぎだ。泰雅がいかに寛容な男でも、これでは気を悪くしても当然だ。
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