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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第23章 《巻の壱―夢―》
―これだから、姫さまは―。
 時橋の小言がいずこかから聞こえてくるような気がして、泉水は小さくなる。お転婆だけではなく、気が強いのも泉水の困った癖の一つなのだ。
「申し訳ございませぬ。言葉が過ぎました。ご無礼を申し上げました。殿を―、犬呼ばわりなど致しました」
 泉水が消え入るような声で言うのに、泰雅は笑った。
「良い良い。元はと言えば、俺が自分のことを犬にたとえたのが悪かったのじゃ」
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