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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第24章 《巻の弐―夢を売る男―》
《巻の弐―夢を売る男―》

 人通りの烈しい往来を泉水はうつむきがちに歩いていた。ここは江戸の外れ、町人町の名の由来は、その名のとおり、あまたの大店が軒を並べてひしめいている活気溢れる商人の町ということからきている。
 今日の泉水は、例のごとく、淡紅色の小袖に、濃紫の袴といういでたちだ。黒髪は高々と一つに結い上げた凛々しい若衆姿である。
 むろん、伴も連れぬ、お忍びでの外出だ。
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