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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第24章 《巻の弐―夢を売る男―》
 そう言えば、言葉遣いは何となく―いや、かなり怪しい。それにしても、とんでもない勘違い男であった。別に泉水はこの男に秋波を送っているわけでも、熱い視線を向けているわけでもないのだが。
 男は二十代半ばといったところで、泰雅と歳は変わるまい。この若さと男ぶりで女に興味がないというのは―、あまり考えたくない。
 かつて泉水とめぐり逢うまで、泰雅も女狂いと囁かれたほどの遊び人であり、あまたの女と浮き名を流した。女と見れば見境なく口説き、殆ど〝病気〟とまでいわれたのだ。
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