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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第24章 《巻の弐―夢を売る男―》
「夢札って、何なの? 夢占(ゆめうら)とか、そんなものなの」
男の奇抜な身なりからしても、挙動不審な様子からも全く信用できない気がする。自他共に認めるお人好しの泉水も流石に、この得体の知れぬ男をあっさりと信ずる気にはなれない。
夢占とは、要するに〝夢占い〟を意味する。その人の見た夢で吉凶を占う、いわゆる夢判断のことで、古くは〝夢合わせ〟ともいった。
泉水が疑いを隠せぬ口調で訊くと、男は肩をすくめた。