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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第24章 《巻の弐―夢を売る男―》
「あの―、その札に何か書いてあるの?」
 泉水が恐る恐る訊ねると、夢五郎は薄く笑った。
「これは、藤の札だね」
「藤の札?」
 夢五郎は小さな札を泉水の前に掲げた。
「良いかい、ここをご覧。絵が描いてあるだろう。この絵が姐さんのこれから見る夢を暗示してるんだよ」
「これから見る夢を暗示する―、それは、どういうことなの。私がこの札に描かれている絵と同じ夢を見るってことなのかしら」
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