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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第24章 《巻の弐―夢を売る男―》
 夢五郎と名乗った男は、懐から何枚かの木札を取り出した。
「さ、姐さん。ここから一つ、取り出してみなよ」
 泉水は躊躇いながらも、おずおずと手を伸ばした。
「それで良いんだね」
 夢五郎は念を押すように問い、泉水の手にした札をさっと引き抜いた。
「ホウ、こいつは愕いた」
 大仰な愕きぶりを見せ、泉水の選んだ木札を食い入るように眺める。
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