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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第24章 《巻の弐―夢を売る男―》
 これより少し後。
 泉水は随明寺の門前にある小さな茶店にいた。むろん、先刻、町人町で声をかけた女の子も一緒である。やはり、女の子は一人であの人通りの多い往来を歩いていたという。
 泉水自身、あの往来で荷車に撥ねられ、記憶喪失になったという過去がある。今度からは絶対に一人で来てはいけないよと言うと、何故か、子どもはとても哀しげな眼で頷いた。
 子どもは名をおつやと名乗った。歳は幾つと問うと、〝六つ〟とあどけない声で応える。
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