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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第24章 《巻の弐―夢を売る男―》
ゆえに、治助もおともも、おつやの両親とは物心つく頃からの付き合いであり、所帯を持って以後も家族ぐるみで行き来していた。ましてや、おつやは、おともの血を分けた姪になる。治助夫婦にはおつやを引き取ることに何の異存もなく、おつやは子のおらぬ治助とおともに我が子のように可愛がられている。
おつやのたとたどしい話からも、おつやが今、それなりに恵まれた境遇にいるのは知れた。だが、おつやは、どうしても母に逢いたかった。