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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第24章 《巻の弐―夢を売る男―》
母があんなに一生懸命働いているのは、祖母や自分のためなのだと、幼いながらもあの頃、既におつやは自覚していたのだ。だから、母が家にいなくて淋しくても、泣いたりして母を困らせてはならないのだと子ども心に我慢していた。
自分も早く大きくなって、働けるようになったら、母に今のような苦労ばかりかけなくても済む。そうなれば、母も楽になり、おつやと一緒にいられる時間も増えるだろう。
そんな日が来るのを愉しみにしていた。